自社導入ノウハウを外部提供

 アシストは、商用ビジネスの今後についての疑問から、先行調査も含め、05年の年初からOSSビジネスを手がけ始めた。「自らの使用経験がない製品を顧客に勧めるわけにはいかない」と、それまで社内で使っていたマイクロソフト製品を更新タイミングに応じて、OSSであるOpen Office.orgに、段階的にリプレース。収集したナレッジをログとして残し、外部提供の準備を進めていった。07年2月には全社でマイクロソフトOfficeからOpen Office.orgへ移行が完了した。

 導入したものの、社内からは不満の声も上がった。07年の年明けから全社導入に向けて行動開始したが、環境を変えることには当然ながら不平不満が噴出したという。社員にアンケートをとったところ、「不満を感じているのが大体3割くらい。4割は無関心」という結果だった。Open Office.orgはこれまで使っていたMS Officeと使い勝手が違う。だが「使い勝手の違いなどは、同じソフトでもバージョンが異なれば起こりうること」(蓑輪哲彦・支援統括部公開ソフト推進部 テクニカル・プランナー)。極力、社員には使い方のレクチャーはせず、社内文書を徐々にOpen Office.org形式に置き換えていった。これに反対をする社員も出る一方、社内には率先して協力してくれる社員もあり、なんとか利用を促進していった。3か月ほど経つと一時の混乱も収拾し、社内は落ち着きを取り戻した。


 こうして得た社内でのノウハウをもとに、07年6月から外部向けにOpenOffice.orgの導入支援サービスを開始した。


 OpenOffice.orgは、国際規格で、ベンダーに依存しないXMLベースのオープンなファイル形式「ODF(Open Document Format)」を採用している。ODFはドキュメントの保全性があり、またPDFとして出力も可能。OSS製品であるためライセンス料がかからず、管理コストを削減できるなどのメリットがある。


 市場にアナウンスを行ったところ、予想外に反響が大きかった。ユーザーは当初「ホントに置き換えて導入できるのか」と疑問視していた。しかし、現在では「(導入を)やりたいのだけれど、どうすればよいか」という前向きな問い合わせに変わってきたという。これまでに25社に導入したが、今期は年内で50社への導入をすすめていきたい考えだ。


 「Officeツールとして代替できるだけでなく、メリットも大きい」(神谷昌直・支援統括部 統括部長)ことから、意思決定を行う企業の上層部などに導入をアピールしていきたいとしている。(鍋島蓉子●取材/文)