経営者のイノベーション

内海良夫 会長

　広島県内のSIerとソフト開発会社が集まる広島県情報産業協会（HIA）は、会員企業間の交流と技術情報の共有を図り、人材育成などを支援している。私が会長になっておよそ4年の間、とくに力を入れているのが、経営者の意識改革だ。

　国内のIT産業全体が成長し続けることができていた時代とは異なり、今は完全に市場が停滞している。これまでのやり方では通用しない。中小のIT企業が成長できるかどうかは、経営者の考えにかかっている。経営者が戦略・戦術を見直さなければ、生き残っていけない。だからこそ、会員企業の多くを中小企業が占めるHIAがやらなければならない取り組みは、経営者の意識改革だ。HIAは、経営者を対象としたセミナーとイベントを積極的に開き、成長が止まった市場でいかに成功するか、イノベーションを起こすためには、何が必要かをともに考え、会員企業が新たな行動に移ることができるようにサポートしている。

　来年度は、その取り組みの一環として、海外に目を向ける。人件費が安く優秀なスタッフは海外にもいる。コストを抑える意味で、海外のソフト開発会社を活用するメリットは十分ある。一部の会員企業はすでに取り組んでいることだが、もっと広く知ってもらいたい。その必要性を普及・啓発し、実際にアクションを起こすには何が必要かを伝えていく。