私は、従業員数10人以下の中小企業を中心に顧問契約を結び、長期的にITを活用した経営を支援している。最近では、ウェブサイト構築やSEO対策など、ウェブマーケティングのスポット案件が増えている。
お声がけをいただくことはありがたいが、期待されている効果を上げられなくてホゾを噛むケースも少なくない。ウェブサイトを開設するだけで売り上げを拡大することができると考えている中小企業がいまだに多い。どんなウェブサイトにしたいのかという具体的な要望を出してもらえないことも少なくない。ウェブサイトの構築をITコーディネータ(ITC)に任せきりにしてしまい、結果としてうまくいかないケースもある。
かつて支援したネットショップがその典型例だ。その企業は、どの商品をとくに魅力的に見せたいとか、商品の特徴や優位点を訴求することは重要とは考えておらず、すべて私にお任せの状況だった。ITCは、ITを活用した経営支援のプロであるといっても、商品の魅力のすべてを理解しているわけではない。結果として、商品カタログを掲載しただけの平凡なものになってしまい、閲覧数は増えたものの、売り上げを高めることはできなかった。
だから、顧客企業には「ウェブサイトは、閲覧者の視点に立ってつくらなければならない。単にウェブサイトをつくれば売れるのだったら、私でもその商売を始められる」とよくお話しする。閲覧者が商品の魅力を自ら理解してくれると考えるのは誤りで、どこがすぐれているのか、実際の使用シーンはどんなものなのかといったことを、サイト上でわかりやすく訴求する必要がある。そのためには、ITCの力だけでは十分とはいえず、ユーザー企業と共につくり上げる作業が欠かせない。(談)(真鍋武)
【ITコーディネータのプロフィール】名前:谷内剛
所在地:千葉県柏市
所属:谷内マネジメントオフィス、NPO法人ちば経営応援隊
略歴:独立系ソフトハウス、ユーザー企業、千葉県内の商工会などを経て、独立系ITCとなった。 CFP(Certified Financial Planner)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を保有。