クラウドを活用して働き方改革ソリューションに取り組むベンダーは多い。そのなかで、シャープの販売会社であるシャープビジネスソリューションは、全国のコンビニエンスストアに納品している約3万台の複合機からクラウドソリューションを始めた。
織井 努
シャープビジネスソリューション
新規事業統括部統括部長
今や、ビジネスの現場ではPCやタブレット端末、スマートフォンなどのさまざまな機器で情報の閲覧や編集が行われている。データ共有ツールとして利用されているのがクラウドストレージだ。シャープビジネスソリューションは2011年にクラウドシステム「3sweb Sharpdesk Online」の提供を開始。クラウドストレージとして「Data Cabinet Online」を用意した。
シャープは、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス、セーブオン、セイコーマートなどに複合機を納品しており、台数は全国で3万台を超える。このシャープの財産であるコンビニの複合機とクラウドストレージを連携したのがコンシューマ向けのクラウドプリントサービス「ネットワークプリントサービス」だ。PCやスマートフォンから、文書や画像をネットワークプリントサービス用ウェブサイトに登録することで、コンビニに設置している複合機で印刷ができる。これがシャープの複合機とクラウドとの連携第一弾となった。
その後、法人向けとして、ユーザー管理機能やファイル管理機能、利用履歴取得機能などを追加した「ネットワークプリント for Biz」を提供。クラウドを利用することで情報の共有はしやすくなったが、それでも出力のニーズがなくなったわけではない。「顧客に提案書などの資料を渡す際は、やはり紙で渡すことが多い。そのため、紙に出力する手段を設けた」とシャープのビジネスソリューション事業本部 オフィスソリューション事業部 商品企画部の薬師寺厚二部長は説明する。どこでも資料を印刷できることで、印刷のために帰社する時間を減らし、業務効率を上げることができる。
シャープビジネスソリューション新規事業統括部の織井努統括部長は、「出張する際、そこに自社の事業所がなければ現地で出力することができず、大量の紙の資料を持ち歩かなくてはならなかった。ネットワークプリント for Bizを利用することで、全国のコンビニにある3万台の複合機を活用できる」と話す。
シャープは、クラウドとコンビニの複合機を活用することで、まさに場所を問わない働き方を実現した。
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