シャープは、働き方改革のサポートのため、複合機やPCなどのデバイスとクラウドを連携させたドキュメントソリューションを提供している。SOHOの顧客にも使いやすいインターフェースを採用することで、紙の資料のデジタル化を提案する。
同社が提供するクラウド型サービス「3sweb Sharpdesk Online」。コンビニエンスストアの複合機を利用したプリントサービスだけでなく、オフィスの複合機やPC、タブレット端末、タッチディスプレイなどのデバイスとクラウドを連携させ、業務を効率化するソリューションを提供している。
その一つの「Data Cabinet Online」は、紙の文書を複合機を介してデジタル化し、クラウド上で一元管理するとともにさまざまなデバイスで閲覧できる。同様のソリューションは他のプリンタメーカーでも提供しているが、シャープの特徴は、アナログに近いインターフェースを採用しているため、紙の資料管理からデジタル管理にシフトしやすい点にある。
ドキュメントや画像データは棚をイメージしたサーバーに、バインダーのアイコンを使ったフォルダに格納して保存される。紙の資料をファイリングし、棚に収める、アナログと同じような感覚で資料の管理ができる。さらに、バインダーを開くとデータがサムネイルで表示されるので、ひと目で内容が確認でき、必要な資料が探しやすい。
バインダーのアイコンを使い、
直感的に使いやすい(電子黒板「BIG PAD」に表示)
SOHOの現場では、資料のデジタル化がなかなか進んでいないが、その要因が、管理方法が変わることに対する抵抗感のようだ。そのため、従来通りのアナログの管理方法に近づけた。
デジタル化することのメリットは、大型のキャビネットが不要になり、オフィスの省スペース化につながる点と、検索機能を活用できる点にある。紙の資料をOCR処理してキーワード検索ができるようにすると、より利便性が上がる。ところが「OCRソフトを提案してもなかなか導入してもらえない」とシャープビジネスソリューション新規事業統括部の織井努統括部長は話す。企業にとって新たにソフトを導入することに多少のハードルがあるからだ。そこでOCR機能を標準搭載した複合機をラインアップし、複合機とともに業務効率化を実現するOCRソリューションを提案している。
今後、紙の資料のデジタル化はますます進んでいくだろう。しかし、「紙を媒体にして情報を共有するニーズはなくならない」(織井統括部長)という。そのため、ドキュメントの入口と出口を担う複合機のポテンシャルはまだまだ高そうだ。
<プリンタ×クラウド>第11回 シャープ(下)他社のクラウドサービスとも連携