ICO

 「Initial Coin Offering」(イニシャル・コイン・オファリング)の略。「新規仮想通貨公開」などと訳す。ブロックチェーンの技術を活用し、企業などが資金を調達する方法として注目されている。

 ICOは、米国のインティゴーゴという企業が、2013年に用いたのが最初だといわれている。名称は、企業が株式市場に自社株を新規で上場し、投資家が取引できるようにする「IPO」(Initial Public Offering)にちなんでいるとされる。

 ICOでは、企業などは、株式にあたる「トークン」を発行する。その後、投資家がビットコインなどの仮想通貨でトークンを購入し、企業は仮想通貨を現実世界の貨幣に換金する。投資家が購入したトークンは、新たな仮想通貨として使える。ICOを「トークンセール」ということがある。IPOと異なり、ICOの取引はインターネット上で行われ、誰でも自由に参加できることが特徴。企業にとっては、必要な資金を迅速に調達したり、少額の資金を集めたりする手段として利用できる。

 ただ、今のところ法律などのルールはなく、危険性もある。金融庁は10月に公表した文書で、利用者や事業者に対し、価格下落や詐欺の可能性に注意するよう呼びかけた。

 ICOで多額の資金を調達する例も出始めているが、海外でもICOを規制する動きがある。中国と韓国は、9月にICOを禁止。米国は案件によっては規制対象になるとの考えを発表している。

トークン

 記念品や証拠品、引換券、地下鉄やバスなどに乗る際の代用硬貨の意味がある英単語。企業などがブロックチェーン技術を活用し資金を調達するICOでは、株式のような役割を果たす電子証票として使われている。

 トークンは、昔から商業活動に取り入れられている。現在も、インターネットバンキングのワンタイムパスワードやゲーム機用の貨幣など、幅広い業界で利用されている。

 ICOでは、企業や個人が自由にトークンを発行し、価値を決めることができる。証券会社などの仲介を必要としないため、資金調達の手間や費用を削減できることがメリットだと考えられている。

 トークンは、物品などの購入などに充てることができるため、仮想通貨の一種といわれることがある。ICOと同様に現時点で厳密な定義は存在せず、仮想通貨との違いは曖昧だ。配当の義務や経営参加権についても、ルールは整備されていない。

 トークンには、発行者が独自の特典をつけられる。会員の権利を得られるほか、保有数に応じて収益を受け取ることができるトークンがある。将来の経営幹部に対し、トークンを付与することを盛り込んだ人材募集を実施した企業も出ている。

 トークンは、株式と同様に取引所に上場できる。12月5日には、国内の大規模ICO案件で発行された「COMSA」(コムサ)と呼ばれるトークンが仮想通貨取引所に上場し、大きな注目を集めた。