▼部品系の一部の業界には、明るさが戻っているが、総体としてはまだ出口が見えない状態が続いている。そうしたなかでも、元気な企業というのはあるものだ。例えば国産メーカーではエムオーテックス。セキュリティソフトで頭角を現してきた。セキュリティといえば、ウイルス対策ソフトやファイアウォールなどが好調だが、同社のソフトは発想が違い、すべてのログを管理するという。誰が、どのファイルにいつアクセスしたか、誰にメールを出しているか、どんなウェブを見ているかといったログ情報を取ることができる。社員にとってはいささかいやらしいソフトだが、経営者にとっては、のどから手が出るほど欲しいソフトだろう。苦節10年、何度かつぶれそうになりながら、ようやく世の中に認められだしたという。

▼米国ブロケードのSAN用スイッチももてはやされだしている。SANは、ストレージ・エリア・ネットワークの略で、ハードディスクや磁気テープをネットワーク上で共有しようという発想の商品である。日本でもようやくその有用性が認められ始め、普及軌道に乗ろうとしている。スイッチというのはそのキーデバイスである。サーバーとストレージの間に置くことで、1台のサーバーで何台ものストレージをあたかも1台のストレージのように使いこなすことができるようになる。

▼ブロケードは、スイッチだけに集中、シェアは90%を超えるという。事実上の世界標準となっており、各ストレージメーカーはブロケードのスイッチを採用するしかないという環境をつくり上げた。両社に共通しているのは、卓越したアイデアとそれを実現する粘り強さのように見える。業界が沈んでいるとき、元気な企業の話を聞くのは勇気づけられる。