Letters from the World

経済特区、廈門

2002/08/05 15:37

週刊BCN 2002年08月05日vol.952掲載

 中国・福建省にある廈門は、あまり中国らしさのない、どことなく垢抜けた感じの港町である。ここは古くから貿易港として栄え、また共産党政権下では、密輸基地として現地の役人が私腹を肥やしたという。今はリゾート地として観光客でにぎわっている。経済特区として、深ほどの注目度はないが、IT企業を多く誘致していることで知られている。 昨年、デルがマレーシアのペナンからほとんどのアジア向けの生産をこの廈門に移したことで、一躍注目を浴びた。廈門空港は国際空港でもあるが、日本や香港のほか、マレーシアへの直行便があるのには驚いた。福建省出身の華僑がマレーシアに多く存在するということよりも、デルの工場がペナンにあるため、その物流支援の措置かと想像する。

 廈門市政府が支援するソフトウェアパークも2年前に立ち上がり、現在30社程度の入居がある。海外からは、台湾、香港などの企業が入居している。また、日本からは富士通が進出している。インキュベーターとベンチャーキャピタルとしての役割を国内だけでなく海外企業にも提供しているのである。とりわけ台湾系の会社はとくにその恩恵にあずかっているようだ。廈門進出の台湾企業は数多い。

 公用語の北京語(普通語)のほかに、現地の福建語が台湾語と非常に近いことなど、生活風習が台湾と似ている。台湾と中国の両岸で全面的な直行便の実現に向け話し合いが精力的に行われている。直行便が飛ぶのも時間の問題と言われている。インターネットバックボーンや電話回線など通信回線もそれに準じることになる。非公式だが、廈門と金門島(台湾の領土で廈門から5kmしかはなれていない)では携帯電話のサービスエリアがオーバーラップしている地域がある。実際に私も台湾の携帯電話を廈門で使えることを実証してみた。(廈門発)
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