旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->11.ロンドン

2002/08/12 15:27

週刊BCN 2002年08月12日vol.953掲載

 ヒースロー空港を出て最初に目についたのが、赤い2階建てバスと黒塗りクラシックスタイルの乗客4人乗りタクシー。

 ホテル近くのハイドパークはかつて国王の狩場として使われていただけに非常に広大で、その上木立や芝生が自然に近く保たれていた。他のヨーロッパ諸国の幾何学的な公園とは一味違う、所謂英国式庭園である。

 大英博物館は古代ギリシヤ風の建物で、展示物は世界中から集められた人類の文化遺産の結集で、古代ギリシヤやエジプト、インド、中国、日本など7つの海を支配した大英帝国ならではの壮観さである。入場無料、写真撮影も自由。我国との違いに驚く。テムズ川の対岸から見る国会議事堂、1859年から市民に時を告げ続けているビッグベンは、歴史の重みを感じさせる。

 バッキンガム宮殿は歴代国王の住居である。正午の衛兵交代は観光客に人気の的、黒毛の高い帽子と真赤な制服の衛兵達はまるで人形のショウのようであった。ピカデリーサーカスは市内随一の盛り場であるが、銀座や新宿の方が、スケールが大きく洗練されていると思った。

 タワーブリッジはテムズ川にかかる古い開閉橋で、美しさと重厚さを誇る。ロンドン塔は11世紀に王室の要塞兼宮殿として創建されたもので、後年国事犯の牢獄となり、多くの王侯貴族が死刑になったところである。この塔の中に「アフリカの星」と呼ばれる世界最大のダイヤモンドで飾られた女王の冠が展示されていた。

 トラファルガー広場。1805年10月21日、ネルソン艦隊がトラファルガー海戦で大勝し、ナポレオンの脅威から英国を守った。それを記念して広場の中央に、ネルソン像を頂く高さ55メートルの塔がそびえている。国を救った英雄を深く尊崇し続ける英国民の心根に感動した。
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