▼BCNの名物企画である全国取材「コンピュータ流通の光と影」がスタートした。今回は第8弾になる。題して「最先端IT国家への布石」。全国47都道府件をくまなく取材し、自治体のIT化への取り組みと地方でがんばっているIT企業を紹介していく。先週号（11月18日号）から現地取材に基づいた都道府県ごとの記事を開始した。まずは岡山県からである。

▼岡山県は、自治体の電子化をはじめとするIT化への取り組みで、先進的な自治体の1つである。例えば、同県新見市の電子投票。今年6月23日に行われた市長選・市議会議員選挙では、全国初の電子投票が行われた。マスコミでも取り上げられるなど、全国的に大きな注目を集めた。大げさな言い方をすれば、日本の行政史上特筆すべき出来事だった。また、岡山県や岡山市もそれぞれユニークな取り組みを行っている。なぜ岡山県からスタートしたか。今回の「最先端IT国家への布石」を始めるにあたって、まさにぴったりの自治体の1つなのである。

▼ところが、取材を進めていくうちに、大きな課題に直面してしまった。それは、中央と地方の間に横たわるITリテラシーの格差である。「とにかく中央の情報が欲しい」という段階の地方自治体も多いのである。

▼しかし、「e-Japan戦略」に待ったはない。現下の厳しい経済状況を打破するべく、地方は必死である。BCNは全国取材を通じて、そのような地方の現状を紹介し、応援していく。期待していただきたい。