諸般の事情で引っ越しをすることになった。感謝祭の連休前という慌ただしい時期ということもあり、準備には面倒なことが多かったのだが、住所変更や各所への通知など面倒な手続きのほとんどをオンラインで処理した。今更ながらインターネットの有難味を身に染みて実感した次第である。

 電気やガスなどのインフラの停止や請求先の変更、電話番号の変更通知から果ては引っ越し当日のレンタカーの手配に至るまで、全てを深夜に行うことができたのは、日常の業務に支障を出さずに済み非常に助かった。いつもオンラインサービスで作っている名刺に至っては、引っ越し先に既に新しいものが届いており、その迅速な対応には改めて驚いた。

 結局、日本だったら必須の窓口業務はほとんど必要がなかった。とくに郵便局はそのウェブサイト内に各クレジットカード会社や電話局などへの通知サービス追加の項目まであり、その行き届いた対応には目を見張るものがある。

 しかも手続きを終えた後に届く確認のための郵送物には各種の広告物が満載で、そのなかにはAOLの入会用CR-ROMまでが同梱されてくる。もちろん郵便局の副収入なのだが、このようなサービス内容の充実と徹底したコスト削減の姿勢は、日本でも民間/行政を問わず見習うべきだろう。

 ところで今回の引っ越しにあたっては、やはりオンラインでは処理できないこともあった。その1つは日本のクレジットカードだ。ウェブサイトに住所変更の項目がないためメールで問い合わせをしたところ、『日本時間(!)の9時から5時までに、以下の番号へ電話を』という返答が帰ってきた。笑えないが本当の話だ。

 今回、私がメリットを享受したこれらのサービスは決して高度なシステム構築が必要なわけではない。どこの企業でもすぐに実行可能だろう。要はやるかどうかだ。真のユーザーサービスとは何かを改めて考えさせられた一件である。(ニューヨーク発)