Letters from the World

韓国発「マシマロ」

2003/07/07 15:37

週刊BCN 2003年07月07日vol.997掲載

 「マシマロ」を知っているだろうか。かつてダンシング・ベイビーというムービーがネットの世界を風靡したが、このマシマロという名前の白ウサギは、それと同様のオンライン・キャラクターで、それもなんと韓国発である。そもそもは学生が企業に提出したコンペ作品の中の落選作という。今やアジア1のネット大国となった韓国では、大企業にキャラクターとして採用されるより、ネットでの配布の方が普及が加速されると言うのは、驚かされてしまう。

 既に本国ではライセンスによる大規模なビジネスがスタートしており、ネットの特性を生かし海外での評価も上々。台湾や香港など近隣アジア諸国のみならず、既にアメリカへの進出も計画されているという。マシマロの驚くべき点は、それが最初から世界をターゲットにした各種のビジネス展開を計画している点である。キャラクターそのものは一見日本のタレパンダ風の愛らしいものであるが、その態度と下品ないたずらはシニカルそのもの。トイレで悪ふざけをするのが大好きというキャラクター設定は、アジア的というよりは西洋風であり、そしてこれこそが世界が相手のビジネスに一番必要とされていることなのである。

 日本発のキャラクターとしてはポケモンやハロー・キティなどがアメリカでもヒットしてきた。マシマロはこれら強敵に真っ向から立ち向かう格好だ。しかし、どんなにヒットしても子供向けの商品の域を出ることができない日本製のキャラクターに対し、こちらは大人も対象にできる。アメリカではコミック漫画雑誌も最終的にはハリウッドの大作映画となり、莫大な収入を見込むことができる。しかし日本ではポケモンの映画に行く大人は子供連れだけだろう。二次三次のビジネス展開に置いては日本のソフトウェア産業はまだ未熟ということではないだろうか。ぜひマシマロに続くのは日本発のキャラクターであって欲しい。(ニューヨーク発)
  • 1