中国シンセンの秋葉原に当たる、賽格(サイガ)地区を訪れた。電子市場の規模としてはアジアで一番かもしれない。秋葉原のラジオセンター、ラジオデパート、ラジオ会館などもその規模では足下にも及ばない。大規模なビル全体が電子パーツや電子製品の市場となっている。そのようなビルが4-5棟集まっている。価格も、怪しげなコピー製品は論外としても、正規ブランドの半導体、チップ部品なども日本の卸価格より安いものも多い。深 とその外側の東莞市などは電子製品の世界的な供給地区となっており、プリンタ、ファクスなどのOA製品の生産額も世界一といわれている。

 それらの工場とこの巨大電子市場と何か関連があるのだろうか。地元にある世界有数のEMSメーカーの「Foxconn」や「Solectron」はいくらなんでもこんなローカルな部品市場から部品調達をするわけがない。もともと来料加工工場という広東省政府のスキームの元で輸出をメインにしている工場。しかも、その巨大な購買力ゆえに、部品メーカーやユニットメーカーとの直接契約ができて当然である。

 では、この賽格市場の買い手は誰であろうか?FoxconやSolectron以外にも中小の工場がたくさんあり、しかも急な部品の入手に困っている工場は腐るほどある。最近、小生が関わったプロジェクトで、試作を中国で行うことになった。しかし、日本や台湾から部品を調達すると時間がかかり間に合わない。急を要するプロジェクトだったので、この賽格で部品を調達する。ここでは、東京の秋葉原などではまずお目にかかれないチップや部品も手に入る。

 ということでわずか2日程度で大半の部品が手に入った。なぞの入手経路は、香港あたりからの密輸も当然だが、工場労働者などによる盗品の持ち込みも多いと聞く。極端に安い部品も多いが、その継続供給には限界があるので長期生産用には注意が必要だ。(中国・シンセン発:アコードインターナショナル 原 真)