梅雨というのに、日中30度を超える日が続く。こう暑いと、さっぱりしたワインが飲みたくなるのは、日本人だからだろうか。12月にチリに行ったとき(南半球のチリは夏だった)、現地の人たちはこってりした赤をガンガン飲んでいたものね。

 このごろ私はロゼワインに凝っている。先日、おいしい鰹のお刺し身をいただいた。ホントは日本酒がいいのかもしれないけど、うちにはワインしかない。あれこれ探して、ふと目に付いた南仏プロヴァンスのロゼを冷やして合わせてみた。白だったら鰹の脂が勝ってしまっただろうが、そのロゼワインは鰹を見事に引き立ててくれたのだ。

 しかしロゼは日本で人気がない。ヨーロッパでは、夏のワインとして定着しているのに。赤なのか、白なのか、肉に合わせたらいいのか、魚なのか、どっちつかずな存在だからか。

 でも、シャンパンの世界ではロゼの地位が断然高い。なぜシャンパンのロゼは人気で、スティルワイン(スパークリングワインや、ポートなどの酒精強化ワインでない普通のワイン)のロゼが不人気なのか。

 ロゼ・シャンパンの生産量は、シャンパン全体の3-5%と希少で、値段も高いことから価値が上がったのか。あるいはスティルワインのロゼは、酸化しやすく熟成したものを探すのが難しいのも一因かも。

 そんなことを友人に話していたら、「ロゼワインってどうやって造るかわからないからブキミなんだよ」と言われた。そんなばかな、とは思ったがそれならば簡単に造り方を紹介してみよう。友人は「赤ワインと白ワインを混ぜる」と推察したが、それは不正解。

 ヨーロッパではシャンパンの産地、シャンパーニュ以外では、赤と白を混ぜるのは禁止されている。ロゼワインは、発酵前の黒ぶどうを圧搾するときにほどよく色が着いたところで果汁を取り出して発酵させるのが一般的。一方ロゼ・シャンパンは、普通のシャンパンに、10-20%の赤ワインをブレンドするのが通常の造り方。ロゼのスティルワインの方法で造っているのは、ポメリー、ルイ・ロデレール、ローラン・ペリエなどごくわずかのシャンパンハウスだけ。手間がかかるから価格に反映するのも当然かも。

 ロゼ・シャンパンは、“晴れの日”用にとっておくとして、日常用には、プロヴァンスなど南フランスのほか、スペインやポルトガルなどにもおいしいものがある。1000-2000円台でちゃんとおいしいものが見つかる。野外で飲むロゼ、けっこう幸せな気分になれます。