旅-経営者の目線-

<旅-経営者の目線->66.日光・奥日光の旅-(1)杉並木と明智平

2004/07/12 15:27

週刊BCN 2004年07月12日vol.1047掲載

 1999年10月、マロニエ特使として渡辺知事のご招待で日光金谷ホテルに宿泊した。1873年(明治6年)創業の風格ある本格的なリゾートホテルで、重厚でシックな室内設備に歴史の重みを感じた。明治初年頃から昭和のはじめにかけて、駐日各国大使館やスコットランド生まれのグラバー氏など、政財界の人々の別荘で華やかだった国際避暑地日光の今昔を、知事を囲んで夜遅くまで熱く語り合った。

 翌日は改修された大正天皇ご愛用の旧田母沢御用邸や日本杉並木街道などを見て回った。道路整備で樹の根が傷み、年々立ち枯れが続いている。その杉並木の保護回復を目的に96年(平成8年)に日光杉並木オーナー制度が発足した。

 私はその年秋の県南視察に参加した折りに、知事の発案を聴き、その場で応募した。杉の立木を1本1000万円で購入し、その金の運用益を活用するというものである。今回の旅で初めて自分の名札が付けられた杉の大木に対面し、すがすがしく心の晴れる想いをした。

 00年(平成12年)10月末、前年見残した日光と奥日光の秋の景観と滝巡りに再び訪れた。

 東武日光駅を下車し、まず市内観光。徳川家光の東照宮造官には延べ900万人が工事に携わり、わずか1年5か月で社殿が完成した。その間それぞれ職種毎に固まって住んでいた。その中の1つ、大工町は整然とした町並みが残っていて、当時の水道が今も使われ続けているのに驚いた。

 ロープウェーで明智平に着く。展望台からは男体山が目の前に迫り、正面に華厳の滝、遠くに中禅寺湖が見えた。
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