北斗七星

北斗七星 2005年1月31日付 Vol.1074

2005/01/31 15:38

週刊BCN 2005年01月31日vol.1074掲載

▼キャッシュカードの情報がスキミングされ、知らない間に銀行口座から預金が引き出されるという犯罪が多発し、金融業界もようやく、その対策に重い腰を上げた。キャッシュカードには、例によって細かい文字を羅列した使用契約約款のようなものがあるようだが、どのくらいのユーザーがそれを読むのだろうか。他人が偽造カードを使って引き出した預金については、使用者のカード管理に落ち度があった、としてほとんど補償されていないという。

▼ゴルフ場を利用した際に情報を盗まれた被害者は、貴重品ロッカーの暗証番号に〝覚えやすい〟キャッシュカードの暗証番号を使っていたという。確かに、様々なカードを使っていれば、その暗証番号を覚えておくために、2、3種に集約するのが精一杯。安易にキャッシュカードの暗証番号を使っても仕方は無いだろう。

▼高度なITが活用されるようになっても、これまでは必ず不正使用や情報の漏えいが発生している。その対策と新手の犯罪は、まるでイタチごっこ。どんなにITが発達しても、システムを完璧に信用していいものかどうか。結局は、「自分の身は自分で守るしかない」ということになるのだろう。

▼自家用車にETCを取り付けた。販売店の担当者は、「正確にデータを読み取らない場合もあります」と説明し、「確実に(ゲートが)開く、とは思わないで下さい」。ゲートを通過する時は十分減速して、というつもりだろうが、「システムを信用してはいけない」とも聞こえるのである。
  • 1