400-500年以上前に石を転がしてウサギの穴などに入れていたのがゴルフの始まりと言われていますから、すべてのゴルフクラブの起源はパターといわれています。

 現在のようなパターやパッティングスタイルが登場するのは100年くらい前になります。その頃からトッププレーヤーと呼ばれる人はパットの名手が多く、トッププレーヤーのそばには必ず名器と呼ばれるパターがありました。

 マスターズ・トーナメントを創始した球聖ボビー・ジョーンズには「CALAMITY JANE II」。「ピンにからむから、からみてぃじぇーん」いう洒落は余談です。

 アーノルド・パーマーの「Wilson Arnold Parmer」と「DESIGNED by Arnold Parmer」、ジャック・ニクラウス「George Law Sports man Wizard 600」、ジョニー・ミラー「Accinet Bulls Eye」、トム・ワトソン「Ping Pal 2」、ベン・クレンショーの通称リトルベン「Wilson 8802」などが有名です。

 また、日本ではジャンボ尾崎の「MacGregor Tommy Armour IMG5」が彼の全盛期をささえていました。

 スコアメイクでパターが最も重要だとは言いませんが、1ラウンドで使用回数が1番多いのは、普通はパターです。ところが、来店されるお客様の修理や調整は、1にドライバー、2にアイアン、3、4がなくて、やっと5にパターといった具合です。パターの調整にはあまり関心が払われていないようです。

 もっとも、現実問題として、パターの調整というのは難しいのです。それは問題点が見えにくいからです。

 ドライバーなら「距離をもっと出したい」、「スライスを矯正したい」、「軽くしたい」など、「こうしたい」、「こうなればいいのに」といった問題点がはっきり言えるのに、パターではそれが分らない。結局、「入らないのは自分のパッティングが下手だから」、「パッティングの練習がまだまだ足りないから」と妙に納得してしまうのです。

 はたしてそうでしょうか。一番使うのに、一番いい加減な選び方をしているパターについて、次回はもっと考えてみましょう。

[ナカシマケンジ]
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1955年生まれ。79年、留学先の米ユタ州で本格的にゴルフを始める。95年、オーストラリアのシドニーに移住。99年、ゴルフのカスタムフィッティングの店「K's Golf」開店。