現在、日本のゴルフギアの進化は世界をリードしているといっても過言ではありません。

 それは、日本のメーカーの努力もさることながら、新しいものを抵抗なく、また貪欲に受け入れる日本のマーケットの特性もあるのでしょう。ここオーストラリアはことゴルフに関しては英国の文化を継承しているようです。そしてゴルファーはすでに第3世代、第4世代に入っていて、いわば成熟しています。こうなると道具へのこだわりは、日本人とは比べものにならないくらい小さいのです。

 ところが、1つだけ日本が遅れていると私が感じるのが、バッグのデザインです。日本では、いまだにトラディショナルタイプ(スタッフバッグ、キャディバッグともいわれます)が主流と思われます。

 このタイプは、名前が示すとおり、プロのトーナメントなどで見かけるようにキャディが担ぐようにデザインされています。ですから、カートに積んだり、プルバギーに乗せたりすると、後ろのポケットのものが出しづらい。後ろのポケットは大きいので、セーターや雨具を入れたりしますが、いざという場合に取り出せなくて困ったという経験は私だけではないでしょう。

 そういう不具合をなくしたのが、カートバッグです。後ろ側はまっ平ら。ポケットはすべて前からアクセスできるようになっています。シドニーの店頭に並んでいるバッグの4分の3はこのタイプですから、主流になりつつあるといっていいでしょう。最近では、プレー中に出し入れしやすいようにパター用の独立したケースを外側につけたり、飲み物や食べ物の保冷用ポケット、または携帯電話など濡れてはいけない小物を入れるポケットなどをつけて機能を充実させています。日本とオーストラリアでは要求される機能も違いますから、一概には言えませんが、日本のメーカーはもっとバッグのことも考えるべきではないでしょうか。

[ナカシマケンジ]
profile
1955年生まれ。79年、留学先の米ユタ州で本格的にゴルフを始める。95年、オーストラリアのシドニーに移住。99年、ゴルフのカスタムフィッティングの店「K's Golf」開店。