インターネット通販システムのウェブ2.0化が急ピッチに進んでいる。ところが、伝統的なITベンダーの頭を悩ませているのは、ウェブ2.0が情報システムの“規格”ではなく“コンセプト”である点だ。ネット環境の急速な変化に適応していくため、ネット通販システムの開発ベンダーは、ネットベンチャーやマーケティングに長けた広告代理店と相次いで提携して勝ち残りを図っている。

　ネット通販パッケージソフトを主力商材の1つに位置づけるアイティフォーは、昨年12月にグループ会社化したネットベンチャーのノウハウをベースに、ブログを販売促進に生かす仕組みを5月に実用化した。通販サイトで販売している商品を気に入った利用者に、その商品のよさをブログに書き込んでもらい、売れたらポイントを還元する。

　ソフトクリエイトも大手広告代理店と提携し、自社の通販パッケージソフトを使うユーザー企業の売上増に役立つマーケティングサービスを6月から全面的に採り入れた。ブログなどとの連携も強化していく。

　商品の管理や展示、決済といったシステム面の機能に終始する時代は終わり、ネットの双方向性を生かした次世代のウェブ2.0を採り入れなければ消費者の心はつかめない。取り組む相手がネット上のコンセプトであるだけに、まずはITベンダー経営者の頭の中身からウェブ2.0化しなければダメか？