バフェット&ゲイツの未曾有の善意に世界が酔いしれるなか、「ハーバード大に1億1500万ドル寄付する件、アレやっぱり、なかったことにするよ」と発表したのはバレーの風雲児ラリー・エリソン氏(オラクルCEO)。研究所創設を任せていた学長が解任されたことで運用に確信が持てなくなったというのがその理由だ。担当職員3人は解雇され、同大創立以来最高の善意は最大の失意となった。

 善意の不発はほかにもある。USAトゥデーによると1995年にはテキサスの富豪リー・バス氏が「西洋文明の研究成果が不十分」とエール大への寄贈2000万ドルをとりやめた。プリンストン大は、老舗スーパーA&Pのロバートソン一族と基金6億ドル(45年前の寄付が元手)の支配を巡って係争中だ。

 世界各地のオペラハウスのパトロンとして鳴らしたキューバ系ネット投資家アルベルト・ヴィラー氏もドットコム崩壊後は、NYメトロポリタン・オペラへの約束分2000万ドルをほごにした。昨年は身内からも「事業に投資した金を人助けに散財してどうする」といじめられた。

 稼ぐのも大変。だけど使うほうはもっと大変というお話。(シリコンバレー発)