「イノベーションこそが、成長のカギ」。最近のパッケージソフトの動向をみると、その言葉の重みが増してくるように思える。

 たとえば昨年末から新しくなったOSや表計算ソフトやワープロソフト。なかなかベンダーの思うようには新バージョンへの乗り換えが進んでいないようだ。一世を風靡したERPも主要企業の大半に行き渡り、今は2巡目、3巡目の需要の取り込みに躍起。

 そもそもユーザーは自身のビジネスに役立つという価値を見いだして購入したわけである。数年後、ただ単にバージョンアップしたからというだけでは乗り換える気にならないだろう。

 テコでも動かないユーザーには「保守サポート期限が切れる」と最後通告が突きつけられる。

 販売現場で顧客と向き合うSIerは、「サポート打ち切りをちらつかせての商売はつらい」とこぼす。さしずめ、寓話「北風と太陽」に出てくる北風のパターン。いくら強い風を吹き付けても旅人のコートを脱がすことはできない。

 一方で、斬新なアーキテクチャを編み出し、既存の枠組みを根本から変えるようなイノベーションを打ち出したベンダーは強い。これまでできなかった新しいことができるようになる。ユーザーはこぞって乗り換える。

 この業界でイノベーションは太陽に該当するということか。