PCの需要はすでに何巡目かを終え、今や新OSの発表程度では消費者の関心を得ることはできなくなった。ゲーム専用機はネット化による第二世代への移行、デジカメは一眼レフというカンフル剤を手にしたが、他にはIT分野で将来を期待できそうな商品が見あたらない。

 「i」を出し続けるアップルは我が世の春を謳歌しているが、その携帯電話が2G世代の商品でしかないことに消費者が気がつくのは時間の問題だろう。各社から発売される無数のガジェットに、iPodのような可能性を秘めたものはあまりにも少ない。

 過去20年に比べ、ここ数年は「革新的な」ハードウェアは生まれにくく、WEB2.0やGoogleに代表されるような、ソフトビジネス面での成功が注目を集めている。店に並べられているもののなかでは、薄型大画面テレビとWiiだけが消費者の賛同を得たハードウェアといってよい。

 いま、この原稿を書いている最中にアメリカの株式市場で暴落が起こった(2月27日)。今後の景気の停滞がハードウェア分野のさらなる失速につながるのではないかと心配する声もすでに出ている。魅力的で大人気を博すような新商品の出現を期待したい。(ニューヨーク発:ジャーナリスト 田中秀憲)