大手SIerの富士ソフト(野澤宏会長兼社長)のデジタル映像コンテンツ制作事業が波紋を広げている。システムベンダーの多くはこれまでコンテンツ事業に手を出してこなかっただけに、「野澤さんは何を狙っているのか?」と、興味津々。“営業”と称して探りを入れる関係者もいるとか。

 デジタル映像を制作するスタジオや編集室、映画の試写も可能なビジュアルセミナールーム、大規模なデータセンターを備えた「富士ソフト秋葉原ビル」を、今年2月に総工費約450億円を投じて竣工。ゆくゆくは映画やドラマの制作にも乗り出す構えである。

 もともとは前社長で現東証コンピュータシステム(TCS)社長の松倉哲氏が2000年頃から構想を練り始め、野澤氏も賛同して動き始めたデジタル映像事業だ。松倉氏はTCS社長に就いてからも映像事業を諦めきれなかったのか、自前でスタジオをつくり証券関連のコンテンツをインターネットで配信するサービス「KABU24.TV」を昨年夏に立ち上げたほどの熱の入れよう。

 放送のデジタル化が進み、インターネットとの距離がより近くなる。「今後さらに大きく変革しても不思議でない」とみる業界幹部が多いのも事実。今の富士ソフトは業界ではほとんど“異端”扱いだが、コンテンツビジネスが成功すれば一躍時代の“先端”として他社の追随現象が巻き起こることになるか?(寶)