IT系の新進ベンチャー企業といえば、「卓越した技術や斬新なビジネスアイデアを元に、全く新しい市場に打って出る」といったイメージが相変わらず強い。これはニューヨークでも同様で、投資家も起業家予備軍も「何か新しいこと」を日々探し回っているはずだ。

 ところが最近は、「生活にITを取り入れる」形での起業が多い。都市部での駐車スペースの情報を提供する「SPOT SCOUT」や、デジカメの普及で溢れる個人データのためのオンライン倉庫として起業した「BOX NET」など、生活に密接にかかわるサービスが人気を博している。

 ここ数年のIT界のキーワードは、セキュリティやSOX法など、生活感溢れるものとは言い難かった。このような状況は起業家たちの目にはチャンス到来!と映ったのだろうか。

 Skypeやオンラインゲームの成功はこの傾向を示唆していたのだろう。各種のマッシュアップがあったからこそWeb2.0という言葉も市民権を得た。グーグルマップはその典型的な例だろう。従来は成り立たなかった「生活に密着したサービス」をIT技術で提供するビジネスは、今後のトレンドになるかもしれない。(ニューヨーク発:ジャーナリスト 田中秀憲)