SaaS型オンデマンドサービスの大規模案件の獲得が相次いで明らかになるなかで、これまでSaaSに慎重だったSIerの心中は穏やかでない。納入しているのがNTTデータや日立ソフトウェアエンジニアリングなど同業大手だけになおさらだ。

 問題は、SIerにとってSaaSは“儲かるのか、儲からないのか”が依然として不透明である点だ。日本郵政公社に米セールスフォース・ドットコムのSaaS型CRMを納入するNTTデータですら、「今年10月の民営化に間に合わせるための選択肢。契約は1年半」と、ことさら積極的だったわけではない様子。

 “手組みで最適なものをつくりあげたいところだが、時間がないので仕方なかった”と言わんばかりだ。

 他社のものを担いでSIerの利幅が限られるから消極的なのか?

 しかし、SaaS事業を支える最新式の大型データセンター(DC)を自ら竣工するとなれば“一声100億円”の事業費がかかるとも…。採算計画が見えないので、そう簡単に手が出せない。一方で「(SaaS対応を)先送りにはできない」(SIer幹部)と焦りの声も聞こえる。

 SIerの多くは既存のDCをオンデマンド型に少しずつ改良したり、他社のDCを借りてコントロールセンターだけ設置したりで“そろりと小規模にスタート”。本格投資のタイミングの見極めに苦心する日々が続く。(寶)