▼5月半ばの某日、仕事を終えて帰宅したら、一通の封書が届いていた。以前、漢方薬を通販で購入したことがある製薬会社からのものだった。新製品の案内か何かだろうと軽く考えて封を切ったら、個人情報漏れのお詫びとある。ドキッ。

▼内容を読むと、電話やFAXで申し込んだ顧客の情報は大丈夫というのでホッとしたが、興味深いのは事の末を詳細に記した同封文書だった。それによると──。4月30日に同社ホームページの「お試しセット専用」のサイトに、試行錯誤のうえ何度もアクセスがあったことが事件の始まりだった。5月1日にはメールアドレスを主とする顧客情報が海外(中国)からのアクセスで見られていた形跡が判明。即座に海外からの不正アクセスをシャットアウトし、ホームページを休止。2日には、社長を委員長とする緊急対策委員会を設置し、情報を見られた可能性のある顧客14万人に二次被害防止を目的とする注意喚起のメールを発信。社内に問い合わせ窓口を設けて対応。委員会で検討した結果、マスコミに事実を公表すべしということで3日に記者会見を開いた。以後、お詫びと注意喚起のメールを数度にわたって発信するほか、最終的には全顧客65万人に説明とお詫びの封書を発送。そのうちの1通が手元に届いたわけだ。

▼幸いにも、現時点で被害は出ていない模様。顧客の苦情なども隠さず文書にしたため、経緯を事細かに報告してきた同社の対応ぶりに、誠意を感じた。