夏休みシーズン真っ盛りだが、今年は少し様子が違う。ガソリン価格が高騰。諸物価の値上がりで、旅行も電車で行ける近場が人気だそうだ。マイカーでの遠出は敬遠され、CO2削減の観点から見れば“望ましい方向”にある。鉄道は1人を運ぶのに発生するCO2量がマイカーの約10分の1。混み合う車両で、皆が身を寄せ合ってクーラーの風に当たる姿を見れば、なるほどマイカーより効率がいいはずと想像できる。

 実は、ITでも同じような現象が起こっている。グリーンITが叫ばれるなか、これまで顧客企業が自社で運用していたサーバーをデータセンター(DC)に預ける動きが活発化している。電気代が高くなりそうだとか、自社では情報セキュリティが保てないとか、ユーザー企業側には他にも理由があるにせよ、大手SIerはこうした需要の高まりを見込んで新型DCを次々に開設している。昨年10月にDCを増設した野村総合研究所は、「電車と同じ理屈で、プロが運営するDCに集めたほうが安全で、かつCO2削減につながる」(DC事業担当の増永直大・ネットワーク事業部長)と、営業攻勢をかける。

 客さえ集まれば、各駅停車だけでなく、特急を走らせたり、住宅地や観光地を整備したりと付加価値をつけやすい。SaaSやクラウドなどDCをベースとする次世代のITサービスは、案外、日本のこうした“省エネ、電車好き”の風土が追い風になって、根付くのかもしれない。(寶)