▼無計画にシステムを継ぎ足し異機種混合でロジックが未整理のシステムを「スパゲッティ状態」と揶揄する。「西暦2000年問題(Y2K)」などに対応した当時の企業は、この状態からオープン化する際に苦労した。資金に乏しいので「部分回収」で済ませたい。ところが、未整理なロジックを解すのに長時間を要する。多くの企業は一からシステムを作り直す「ビッグバン」の選択を余儀なくされた。

▼いまや企業のIT資産は、経済的価値や企業経営に与える影響度が大きい。IT資産の使用状況や権利などの実態を把握し、適宜「棚卸し」しつつ計画的にシステム導入すべきだ。日本企業の場合、ハードウェアに関する資産管理や「棚卸し」作業は浸透しつつある。一方、把握しにくい「ソフトウェアの資産管理(SAM)」作業は欧米に比べ遅れをとっている。

▼9月中旬、全日空の国内線にシステムトラブルが発生。搭乗手続き端末を管理しているシステムの暗号化認証機能の有効期限切れを放置したのが原因だった。超大手企業ですら、ソフトウェアの資産管理を怠るていたらくぶり。日本企業の大部分は、SAM作業に手が回っているとは思えない。

▼ソフト資産を厳格に管理しない企業は、ソフト不正使用による刑事・民事の厳罰処分が下されたりライセンス追加購入に伴うキャッシュフロー悪化などに襲われる危険性がある。システム販売会社はこうした点に着眼し、ハード・ソフトのシステム提案をすべきだろう。