米国の金融問題で、IT業界に少なからず影響が出ている。日本の金融機関でもIT投資抑制の動きが出始めており、混乱は米国に限ったことではない。金融機関向けビジネスが中心のベンダーにとっては、大きなダメージとして影響が現れつつある。

 とはいえ、米国と比べれば、まだ大きな波が襲ってきているというわけではないのも実際のところ。そんな状況であるためか、米国に本社を持つ外資系メーカーのなかには日本市場を一気に拡大しようとする動きも出ている。金融機関を取り込んでいない外資系メーカーは数多くあり、日本の他業界ではまだIT投資抑制の可能性は低いことを予測しての判断だ。それに、当面は米国市場での業績伸長は難しいとみているからだろう。米国よりも日本の市場のほうが業績が伸ばせると考えているわけだ。かつて、“第二のIT市場”といわれていた日本市場で改めてビジネス拡大を図ることになる。こうした方針を示しているのは、古くから日本法人を設立しているメーカーに多い。事業がそれなりに確立しているためだ。


 ここで問題になってくるのは、はたして日本市場で米国の悪化をカバーするだけの成長が見込めるかどうかだ。だが、米国本社にしてみれば、日本は“頼みの綱”でもある。「急に『業績伸長を加速しろ』といわれても…」と、外資系メーカーの日本法人幹部の一人は、戸惑いの表情を浮かべながら、嘆いてみせた。(真)