▼社会通念として義理を重んじる日本社会。年末の恒例行事として、客先へカレンダーなどを届ける企業は少なくない。新興企業が多く、古い慣習を嫌う傾向にありそうなIT業界でさえ、「廃止」には至らない。当社でも数多くの訪問客を迎える。ところが景気減速の影響なのだろうか、今年末の出足は鈍い。

▼当編集部では、これも恒例の「年頭所感」という企画で、80社以上のITベンダーのトップに直接会い、「来年のIT業界はどんな天気か?」を問う。2009年は、甘めに見ても「くもり」、大半は「雨」と予想される。多くの企業が、利益確保のためにカレンダー製作費を削減したものと思われる。

▼IT業界のトップに聞くと、中堅・大企業、特に世界展開する企業の影響が甚大らしい。為替差損は、自社の経費削減努力だけではカバーできない。世界に冠たるトヨタ自動車は、2008年度業績を下方修正。通期では1兆7000億円弱の営業減益を発表するなど、IT業界にもじわじわ悪影響が及びそうだ。

▼今年5月、トヨタのトップは厳しい経営環境を乗り切るため、全社でカラー印刷の自粛令を出した。今も同じように販管費節減に動いているはずで、プリンタ業界に波及する。中部地区のIT業界はさらに深刻。自動車の生産調整で制御系ソフトウェアや組み込みソフトの受注が減るのは必至だ。ただ、中小企業のコンプライアンスやセキュリティに関するIT投資は依然盛ん。今は小口の受注を積み上げるしかないのかもしれない。