米国の金融危機による先行き不透明な市況感から、NECの矢野薫社長(写真)は、「現実を直視しなければならない」と気を引き締める。打開策として、「長いスパンで、将来を見据えなければならない」とも指摘。「さまざまな人と話しても暗いことばかり。こんな時こそ、マスコミは明るい話題を取り上げなければならないよ(笑)」と、冗談交じりにコメントしながら、“人と地球にやさしい情報社会をイノベーションで実現するグローバルカンパニー”を目指すという今年度(2009年3月期)早々に掲げた2017年までに果たすビジョンを改めて口にする。

 “100年に1度”ともいわれている危機だけに、どの企業も来年度は業績が落ち込む危険性が高い。「だからこそ、将来的な成長を描く方針が重要となる」とアピールする。同社は、今年度中間期の業績が前年割れだったことに加え、通期予想も下がる見込みだ。来年度については、見通しを明らかにしていないものの、厳しい状況が続くとみられる。ただ、「今のうちに、将来に達成させる目標に向かって、当社の社員一人ひとりが何を行うべきかを考えれば、必ず結果に結びつく」と、基盤作りを含めた成長路線の敷設に力を注ぐ。