▽…人材戦略は、経営戦略に基づくものであり、社長の仕事です──。IPAの田中久也・IT人材育成本部長は、経営トップが率先して人材育成に取り組むべきだと話す。IT技術者のスキルを可視化するIPAのITスキル標準(ITSS)は、中堅・中小ベンダーへの普及が課題になっている。厳しい事業環境下でも、「トップ自ら不況明けに向けた戦略を描き、これに必要な人材像を明確にすべき」と、指摘する。

▽…90年代前半、田中氏は富士通でSEサービスの有償化に取り組んでいた。今でこそ有償サービスは当たり前だが、当時は〝ハードに付随するもの〟。有償化に何よりも必要だったのが顧客の理解と、対価に見合うレベルの高い技術者の育成。サービスメニューなどの整備と併せて、SE人材の育成に取り組んできた。SEサービスの有償化という「重要な経営戦略の実現を支えた要素の一つが人材育成だった」と、人材の大切さを訴える。(安藤章司)