情報処理推進機構(IPA)は、産学連携IT人材育成実行ワーキンググループを設置してIT産業の振興を図っている。だが、日本の優秀な学生は国内のベンダーにとどまらず、海外に流出してしまうのではないか。こんな懸念に対して、西垣浩司・理事長は「一番影響力があるのは、年功序列の終身雇用制。労働の流動性がなく、そこに天才がとどまるのは難しい」と、日本の雇用制度に要因を求める。

 とはいえ、「おそらく2、3年して日本に帰ってきて起業したり、日本の組織の中で活躍する。そのくらいのスパンで考えていかなければ」と、人材流出を楽観視しているようだ。長期的な視点に立って人材育成に取り組んでいく必要性を強調する。

 「終身雇用制が良いか悪いかは言いませんけど…」と、西垣理事長はトーンを落としたが、経済のグローバル化が叫ばれるなかで終身雇用制を維持し続けることは、結果的に取り残されることになりかねないと懸念しているようだ。(信澤健太)