▼関係した男性6人が不審死した「結婚詐欺事件」で、またもインターネットが悪用された。「婚活」の流行を巧みに操り、結婚相談サイトを利用した犯行だ。事件の全貌はいまだ闇の中だが、報道の内容が事実とすれば、この女容疑者、犯罪史に名を残す詐欺師だろう。

▼以前にも伝えたが、結婚サイトや相談所には怪しい事業者が多い。一度でも登録すれば、深夜早朝を問わずメールや携帯電話で「理想の相手が見つかりました」と、迷惑な通知が届く。普通の人なら、この時点であまりのしつこさにサイトや相談所自体を疑うだろう。

▼この女は警察の取り調べで、「だまされるほうが悪い」と開き直っているという。うかつな断定はできないにしても、だまされた男性は真っ正直すぎたと思う。あるいはインターネットに性善説で向かいすぎた感がある。二度とこのようなネット経由の犯罪を繰り返さないために「だまされた側」の解明が待たれる。

▼「結婚したい」といったような、願望や弱みに付け込む悪質なビジネスは枚挙に暇がない。「だます側」の手口は通信環境を巧みに使って今後も巧妙化する。「振り込め詐欺事件」が後を絶たないのと同じく、ネット弱者と言うか、通信弱者を狙う事件の解明は「だまされる側」の心理を把握しない限り増え続ける。石川県では、小中学生に携帯電話を持たせない条例が成立した。「臭いモノに蓋」の前に、こうした事件を教訓にした教育体制が待たれる。