富士ソフトは、不慣れな公共分野で原価割れを起こし、上期(2009年4~9月期)に約15億円の工事損失引当金を計上した。白石晴久社長は、「高い授業料だ」と、渋い表情で話す。上期の連結業績は大幅な減収営業減益。単体ベースでは営業赤字に転落してしまった。

 折しも、上期末の手持ちキャッシュが昨年度末に比べて3割近く減ったこともあり、中間期の決算説明会では、「キャッシュは大丈夫なのか?」と、証券アナリストから指摘が入る。白石社長は、即座に「まったく心配ない」と、短い言葉で鋭く回答。メガバンク役員出身の同氏の言葉には説得力があり、会場の空気は一気に張り詰めた。

 昨年度末は、景気が急速に悪化していた時期で、「不測の事態に備えてキャッシュを積み増していただけ。少し多すぎたので減らした」という。事業環境は依然として厳しいが、資金面では“非常事態”から“平常時”に戻りつつあることを示す一幕だった。(安藤章司)