メーカーやSIerなどをさまざま取材して、改めて感じるのは、「ハードビジネスが厳しくなった」ということです。多くのベンダーが「ハード販売はビジネスにならない」という悲鳴をあげています。しかも、リーマン・ショック以降IT投資を抑制するユーザー企業が増え、ますますハードのリプレース需要が少なくなったとの声を聞きます。
一方、最近になって引き合いが多いのが「レガシーマイグレーション」。「コスト面を考慮してオープン化を図りたい」「いかに既存の資産を有効活用するか」ということをユーザー企業が考えているからだそうです。マイグレーションを主軸に置くSIerは、今まさに大きな案件を手に入れようとしています。
また、ITベンダーが新しいビジネスとして着手しようとしているのがクラウド・サービスです。「PaaS」や「SaaS」、「パブリック・クラウド」や「プライベート・クラウド」など各社によって異なりますが、製品を提供するというよりもサービスを提供することに重きを置いています。
ユーザー企業によるマイグレーションのニーズ、ITベンダーによるクラウド・ビジネスへの着手などを踏まえると、ITは「所有から利用」することが、ますます顕著になってきているということです。このようなことを考えると、「単に売る」ということが出がちなハードビジネスが厳しいというのも分かります。
(佐相彰彦)
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IDC Japan、2009年年間のサーバー調査結果、01年以来最悪の結果にメールマガジン「Daily BCN Bizline 2010.3.3」より