旅の蜃気楼

成都で出会った若い若い女性経営者

2012/02/02 19:47

週刊BCN 2012年01月30日vol.1417掲載

【成都発】魏呉蜀といえば『三国志』だ。皆さんの本棚にも吉川英治の作品が並んでいるのではないだろうか。劉備か曹操か、はたまた孫権か。読み始めると面白くて他のことが手につかなくなる。忙しくなればなるほど、こんな本を読みたくなるので、困ったものだ。三国志への思いが募って、蜀(今の四川省)の成都に足を延ばした方もおられるのではないか。

▼昨年、成都を訪ねた折に、ソフト会社に働く日本人の方と面談した。「三国志が好きで、観光客として成都にきたところ、居心地がいいのでそのまま居ついちゃいました」とのこと。それもあまりにも楽しそうにおっしゃるものだから、劉備や諸葛孔明にゆかりのある「武候祠」の案内を願った。その道すがら、成都の町の様子をたずねた。

▼「成都の人は見栄っ張りで、お金をよく使います。男性はマージャンが好きで、のんびりしている人が多いですよ」。消費が旺盛ということなので、パソコンの売れ行きが気になった。成都の電脳城に入ると、そこは秋葉原のような雰囲気だ。周辺機器を売る店が多い。館内は広い。そこに小さなブースがズラッと並ぶ。そのなかで目立って元気な店があった。

▼中文社名は「巴法絡」、英文社名は「BUFFALO」。真っ赤な看板が目立つ。この店はメルコの中国法人と販売提携したバッファローの専門店だ。総経理の馬洪敏さんに会った。予想に反して若い女性だったので、「おいくつですか」と、ぶしつけにたずねてしまった。「24歳です。この分野の商品はこれから売れるので、マンションを売って、そのお金でお店を出しました。もっとお金があったら、たくさんの店を出したいですね」。成都の人はのんびりした人ばかりではなさそうだ。今後の成長が気になる販売店である。(BCN社長・奥田喜久男)

「こんな店をもっと出したい」と意欲的な24歳の馬洪敏総経理
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