Special Issue

<IT業界の主要各社が展開する“次の一手”>バッファロー/バッファローコクヨサプライ ユビキタス社会で独自性を発揮

2011/10/07 19:55

週刊BCN 2011年10月17日vol.1403掲載

 いつでも、どこでも、何でも、誰でもがネットワークにつながりサービスを享受できるのが「ユビキタス社会」。“死語”になりつつあったこの社会が、いまや具現化へ向けて進み始めている。パソコンだけではなくテレビやカーナビ、オーディオなどあらゆる機器がネットワーク対応になり、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型端末を使えば、いつでも、どこでもネットワークにつながる。そんな社会は、すでに現実のものとなっているのだ。

斉木邦明 社長
 こうしたユビキタス社会の実現を加速させる周辺機器を取り揃えているのが、メルコグループのバッファローである。同社の斉木邦明社長は、「コンテンツは見たい時がその時間。NASに写真や動画・音楽を保存して、家の中でも外出先でもスマートフォンやタブレット端末などからアクセスして見たり聴いたりすることができる。しかも、信頼性の高い無線環境で利用できる」と、機器および技術の進歩が急速に進んでいることを説明する。

 同社は、セキュアに無線で家庭内のデジタル環境を提供するホームゲートウェイ製品や50%以上のシェアをもつポータブルWi-Fi。これらにはすべて無線LANの盗聴や不正アクセスを防ぐセキュリティを接続設定と共に自動で行うシステム「AOSS(AirStation One-Touch Secure System)」が搭載されている。さらに、コンテンツを蓄積するネットワーク接続のNAS(=Network Attached Storage)とそのNASに外出先からアクセスできるiPhone/iPad/Androidスマートフォン用のアプリなどを出している。アプリを除けば、家電量販店市場では、すべてでトップシェアを獲得するほど、信頼性と顧客満足度の高い製品を揃えている。だからこそ、「スマートフォンやタブレット端末は、事業の間口を広げた。やっと、われわれの時代が来た」と、今後の成長戦略に手応えを感じているのだ。

 コンスーマ領域の次の戦略として同社は、「テレビなどのデジタル家電やスマートフォン、タブレットと周辺機器との連携強化。われわれにはその技術やアイデアがある」(斉木社長)と自信を示し、これらを含めて同社の技術やノウハウを使って新たな製品開発に取り組むために、家電メーカーとの連携を強化する。

 さらに同社は、RAID機能搭載NAS「TeraStation」や無線通信のアクセスポイントなどの販売を積極化し法人市場での存在感も高めている。「スマートグリッド/スマートシティの時代になれば、無線データを集計して分析するなどの新たな利用方法が生まれる。また、学校にタブレット端末が普及する兆候があって、ここでも安心・安全な通信環境が必要だ」(斉木社長)と、将来に向けた法人用のソリューション展開に大きな期待を寄せている。

 一方のバッファローコクヨサプライでは、「節電モデル」など機能・性能、使い勝手などで工夫を加えた製品を出していく考えだ。これを含めて同社では、コンスーマ市場を世界に拡大している最中だ。近く、アジア圏で「バッファローショップ」を開設する計画で、事業は新たなステージへ踏み出していく。

  • 1

関連記事

<インタビュー・時の人>バッファロー 取締役 中井 一

【2011年 年頭所感】 バッファロー

メルコ、中国市場シェアのふた桁実現に向けて全電脳城に「バッファローショップ」の出店を目指す

メルコHD、I・Oデータ、デジオンが社団法人デジタルライフ推進協会を設立

外部リンク

バッファロー=http://buffalo.jp/

バッファローコクヨサプライ=http://buffalo-kokuyo.jp/