駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国

<駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国>脱ゴーストタウンなるか

2015/04/09 19:46

週刊BCN 2015年04月06日vol.1574掲載

 天津には中国最大級のゴーストタウン(鬼城)が存在する。濱海新区中心商務区の響螺湾商務区がそれだ。面積1.1km2のエリア内には、数十棟の超高層ビルが立ち並ぶが、そのほとんどが建設途中で放置されていて、完成済みのビルも稼働していないものばかり。当初は「東方のマンハッタン」を目指していたが、その片鱗はまったくうかがえない。

 しかし、状況は快方に向かうかもしれない。国営通信社の新華社によると、天津自由貿易区の設置が政府に正式に可決された。自由貿易区は、東疆港地区が中心にはなるが、濱海新区も含まれる予定。その証拠に、響螺湾商務区には「中国(天津)自由貿易区総合服務大庁」が新たに設置されていて、ちょうど私が訪れたときには、作業員が道路に看板を設置しているところだった。自由貿易区がどのくらいの企業を誘致できるかは未知数だが、少なくとも現状を打破しようとする中国政府の意気込みだけは伝わってきた。

響螺湾商務区。遠目から見ると立派な超高層ビル群だが、実際にはほぼ稼働していない
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