▼安保法案は参議院に議論の場を移した。「国民の理解が得られていない」というフレーズが大流行だが、建設的な議論からはほど遠い泥仕合に、とにかくうんざりしているというのが、マジョリティの本当の声ではないのか。

▼人工知能搭載のコメントシステムを提供するクーロンの社長を務める佐藤由太さん(本号最終面にインタビュー記事)への取材で、「ネット上でiPhoneユーザーがAndroid端末ユーザーと議論しても、噛み合わないことが多い」という話題が出た。そもそも議論の前提になる事実認識についてコンセンサスが形成されていないということだろう。話が噛み合うはずがない。佐藤さんは、「自然言語処理や行動分析などをこなす人工知能が議論の場を管理することで、健全で闊達な議論が可能になる」と、解決策を提示する。

▼自分の考えに与しない人や自分の言うことを理解してくれない人を愚かだと攻撃的な言葉で切り捨てては、「国民の理解」とやらは得られまい。佐藤さんは、「健全なディスカッションこそ世の中を変える」とも話した。まさに!ITはそれを後押しする役割を担うことができるか。(霞)