▼ちょうどこの号の発行日に92歳の誕生日を迎える祖父が、お盆の13日の晩にあんこ餅を三つも食べた。大好物だったカレイの煮付けにもあまり手をつけなくなるほど食が細くなっていたので、少し安心した。

▼東京では新暦盆の7月にお盆の行事を済ませてしまうが、記者の地元はオーソドックスな8月盆だ。御霊供膳のほかに、つきたての餅を水に浸した「水餅」をちぎり、あんこを乗せたものを、シソの葉を敷いて仏前に供える。水餅はお供えするだけでは消費しきれないため、あんこ餅にして食べたりするわけだ。

▼酒が好きな祖父は、かつては甘いものを好まなかった。10年ほど前に大病し酒量も減ったが、口にするものの好みも変わったのかもしれない。食の不思議と奥深さを考えずにはいられない。

▼同じ宗派でも、お盆の行事・作法は地方や各家庭によって千差万別。そこには先祖・ルーツに対するそれぞれの思いが反映されている。IT産業もしかり。各地方にはそれぞれ歴史に根ざした基幹産業があり、地場のITベンダーが地道にそれを支えている。本紙はその現場に光を当て続けたい。(霹)