▼博多駅前の道路に空いた巨大な穴は、わずか1週間で埋め戻された。異変にすばやく気づいて犠牲者を出さなかったことや、二次災害を防ぎつつ、迅速に埋め戻したのは、日本が強みとする「現場力」の成せる技と評価する声があがっている。

▼今年の「組込み/IoT総合技術展(ET/IoT 2016)」では、IoTのデバイスを「現場」で制御するチップや機構が相次いで発表された。センサやカメラから上がってくる膨大なデータをクラウドで集中分析するのではなく、デバイス側に判断力をもたせる。異常が発生したときは「現場判断」で対処することで対応速度を大幅に高めるコンセプトだ。

▼組織に例えれば、クラウド集中分析は「トップダウン」、デバイス側での判断は「ボトムアップ」といったところだろうか。

▼道路陥没で、もし、現場が疲弊して、機能しなければ被害はもっと広がっていたに違いない。クラウド時代になって、大手電機メーカーの凋落、日本の電機電子の「現場力」はずいぶん落ちた印象を受ける。IoTをきっかけに再び現場力を取り戻して、復活してほしい。(寶)