失敗から学ぶシステム導入のイロハ

 「あなたの会社は、システム導入に成功していますか?」。こう問われて、経営者は何と答えるだろうか。「いや、ウチは成功しているよ」と答える経営者は、多いか、少ないか。こうした小さな疑問をはじめ、システム導入のイロハをわかりやすく指南するのが本書だ。

 費用増や納期遅延のほか、「導入したが、使いものにならなかった」という声。本書を読み始めて、うなずく経営者は多いだろう。最悪、訴訟に発展するケースもあるシステム導入は、企業にとって悩みの種となっている。

 本書は、各調査結果などをもとに「約7割の企業はシステム導入に失敗している」と指摘し、年商1000億円未満の企業では「成功率はもっと低いと思われる」と分析する。衝撃的な実態を紹介する一方、失敗の要因は単純だ。

 深刻な人材不足を理由の一つと位置づけつつも、最大の要因は「経営者やシステム部門長の誤解」にあると説く。ITに関する知識を蓄えるよりも、システム導入に関わる仕事の進め方を知ることが、成功への近道だというのだ。

 本書では、中途半端な条件設定や行き過ぎた理想論など、実際の失敗例から具体的な「誤解」を紹介。経営者が把握しておくべき項目や成功のカギとなる外部専門家の活用などを、ITに詳しくなくても理解できる表現で解説する。

 一度に億単位の費用が必要となる場合もあるシステム導入は、企業からすると大きな決断が必要だ。投じた費用以上の効果を得るためには、どうすればいいか。本書には、システム導入を成功に導くヒントが詰まっている。(鰹)


『ここがポイント!
失敗しないITシステム導入』
山田一成  著
幻冬舎 刊(800円+税)