▼高度成長期からバブル期頃まで、首都圏郊外の近代的なニュータウンは庶民の憧れだった。時代が変わり、共働きがあたりまえになると、職住近接が好まれるようになる。通勤に時間をかけていては、家事や介護、育児もままならないからだろう。さぞかしニュータウンも寂しくなったと思いきや、意外なニーズで活気づいている。

▼そのニーズとは、データセンター(DC)である。ニュータウンとして整備しただけあり、電力や交通などの社会インフラが整っており、何より都心から近い。数万平米単位で購入するITベンダーが後を絶たないという。

▼ニュータウンを多く手がけるUR都市機構に確認してみたところ、同機構のDC用地は多摩と港北の両ニュータウンは完売、千葉ニュータウンにわずかに残っているのみだそうだ。ニュータウンは、知らない間に“ニュー・データ・タウン”に変貌していた。

▼AIやIoT、ビッグデータなど、確かにDC需要には事欠かない。とりわけ首都圏近郊のDC用地のニーズは底堅い見通し。まさに捨てる神あれば拾う神あり。ITが思わぬかたちで地域の活性化にも役立っているようである。(寶)