残業撲滅は「働き方改革」の第一歩

 欧州のなかでもドイツは労働時間が短いことで有名だ。その実、「ドイツには1日10時間を超える労働が禁止されており、6か月間の平均労働時間は同8時間以下にしなくてはならない」厳しいルールがある。

 残業したあとは、平均8時間に抑えるため、別の日の午後は早々に退社して帳尻を合わせることも珍しくないという。違反した場合は、最高1万5000ユーロ(約180万円)の罰金制度があり、会社ではなく上司に請求されることもあるというのだから、上司は部下の労働時間にとりわけ神経を尖らせる。もちろん有休消化率はほぼ100%だ。

 「働き方改革」の第一歩は残業をなくすことから始まる。残業は労働者の健康を損なうだけでなく、家庭不和など周囲の人も不幸に巻き込む温床になり得る。中長期で見れば百害あって一利なし。ドイツはただ労働時間が短いだけでなく、高い生産性で欧州の経済大国として成長している点も見過ごせない。(寶)
 

 
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