駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国

<駐在記者・真鍋武が体験したリアルな中国>量子通信、情報開示せず

2018/01/31 09:00

週刊BCN 2018年01月22日vol.1711掲載

 外交部主催の外国メディア向け安徽省取材ツアー。取材リストに盛り込まれていた中国科学技術大学先進技術研究院への訪問に記者団は胸を躍らせていた。研究院内には「中国科学院量子情報及び量子科学技術先端共同イノベーション研究院」があり、量子通信の話が聞けると期待していたからだ。中国は2016年8月に、量子暗号通信の実現に向けた試験衛星「墨子号」の打ち上げに成功。17年9月には、全長2000kmの量子暗号通信基幹ネットワーク「京滬干線」を開通した。これらプロジェクトを率いる潘建偉氏は、同研究院の院長を務める。
 
中国科学技術大学先進技術研究院

 しかし、取材は実らず。先進技術研究院には入館できたが、紹介されたのは他の先進技術の展示だけ。肝心の量子通信の情報は得られず、館内の撮影も禁止された。担当者によれば、「情報公開できない」という。

 このために安徽省に来たのに……。研究院は、それほど重要な機密情報を扱っているということか。
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