イチから中国生活

<齋藤秀平のイチから中国生活>執念の速報態勢

2018/03/28 09:00

週刊BCN 2018年03月19日vol.1719掲載

 中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)を取材するため、北京市に出張してきました。最大の目的は、3月5日の開幕式で、李克強首相の政府活動報告を聞くことです。

 開幕式は午前9時からで、その前に日本語や英語などに翻訳された資料が記者に配られます。これをいち早く入手するために、会場の人民大会堂前には、早朝から長い行列ができることが恒例になっています。

 人民大会堂に入り、資料を受け取る列に並んでいると、前の方から何やら大きな声が。揉め事かと思ってよく見ると、資料を手に入れた各国の記者が、列を整理するポールを飛び越えていました。

 列から離れた記者たちは、そのまま人民大会堂のじゅうたんの上に資料を広げ、スマートフォンを片手にマーカーで線を引き始めました。外部と連絡を取り合いながら、重要な部分をチェックしていたのです。1秒でも早く記事を出そうとする記者たちの姿勢から、凄まじい執念を感じました。
 
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