▼二刀流とは、両手に刀を持って戦う手法である。そう考えると、野球の米大リーグ・大谷翔平選手を二刀流と称することは適切なのだろうか。投打がそれぞれ高度化して分業が進んだ現代野球では、“二足の草鞋”のほうが実態に近い気もする。

▼大谷選手の活躍ぶりは、そんな些末なことに思いをめぐらせるのが馬鹿らしいほどに鮮烈だ。世界最高峰の舞台でも自分のスタイルを貫き通し、結果を出して周囲の雑音も蹴散らしていく。

▼彼は「誰もやったことのないことに挑戦したい」という。さまざまな人が、「いまの状態は中途半端だ」「打者に専念すべき」「いや投手に専念すべき」とうるさく言うが、そうした声は大谷選手の価値観とは交わらないのではないか。いまは前代未聞の挑戦を素直に応援したい。

▼6月に社長交代を控えるNTTデータは、既存の業務システムである「守りのIT」、デジタルビジネスなどの「攻めのIT」の両輪で、グローバル市場を攻めるという。両者は二足の草鞋にみえるほどに異なるビジネスだが、顧客の利益を考えれば連携は重要。こちらは二刀流とすんなり呼べそうだ。(霹)