OS(=行政)の更新なしにDXは完成しない

 デジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性が喧伝されるようになって久しいが、企業単位のDXが成ったように見えても、それは言わばアプリケーションの一つにしか過ぎず、社会のOSたる行政府のアップデートなしにDXは完成しない。本書は次世代行政府にこそDXの核心があるという前提で、そのあるべき姿を論考している。

 WIRED日本版の編集長などを務めた若林恵氏が共同創業者として立ち上げた黒鳥社で制作したムックの第2弾であり、テクノロジーの進化と社会の変化の関係に目を凝らしてきた同氏ならではの視点で書きおろした「自作自演対談」など、読者を飽きさせない工夫が満載だ。

 デザイン、構成など紙媒体ならではの表現を追求している部分が多く、本来は紙で読みたいところだが、もはや入手困難な状況。電子版では読めるので本コーナーで紹介したが、できるだけ大きなディスプレイで読むことをおススメする。(霹)


『NEXT GENERATION GOVERNMENT 次世代ガバメント
小さくて大きい政府のつくり方』
若林恵 責任編集
黒鳥社 刊(1800円+税)