20代をまっすぐ駆け抜けるために

 20代、誰もが自らの人生を振り返り、あやふやな将来を思い浮かべ、今何をすべきか右往左往する。「今のうちから投資をすべし」「この時期の旅行が経験になる」「人間関係はよく考えろ」「英語を身につけられる最後のチャンス」……。人生の先輩方はそんな若輩者に対してたくさんのありがたいアドバイスをするが、いかんせん種類も量を多い。一つ一つを耳にしたときは「なるほど!」と手を打つものの、結局はどれをすべきか選べないか、あるいは三日坊主に終わってしまう。

 本書も数ある20代に向けたアドバイスリストの一つだが、その特徴はすべきことの選び方と続け方までをしっかりと指南してくれることだ。

 著者は冒頭、いきなり「自分の弔辞を書くこと」を提案する。自分が死んだとき友人に自分をどのように表現してほしいか。人生の終わりから逆算して、自分の人生がどうあれば幸せか。それが今後の指標になるのだという。

 これ以降は、実体験を交えつつ、著者にとって人生の糧となったポイントを解説している。CMプランナーとして博報堂を勤め上げ、現在はスピーチライターとして精力的に活動する著者の生きるためのエッセンスはどれも濃いものばかり。“こうすべきだ”と押し付けないスタンスにも、多種多様な読者への配慮が感じられる。

 つかみどころのない将来を少しでも明確にするためのヒントを、そっと授けてくれる一冊になるだろう。(万)
 


『20代だから許されること、しておきたいこと
 「ブレない」「流されない」「迷わない」自分になる6つのヒント』
ひきたよしあき 著
大和出版 刊(1500円+税)